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体に耳を傾けるということ

昨日、ようやく「再スタート」を決意したばかりだが、今朝はその余韻が少しだけ体を包んでいた。寝起きも悪くなかったし、体のだるさも、ここ数週間の中ではだいぶ軽い。思えば、病気の最中は朝が地獄だった。起き上がろうとするたびにめまい、倦怠感、息苦しさが襲ってきて、「もう一生このままなんじゃないか」と不安になったこともあった。
今日は、目が覚めたあとすぐに布団の中でストレッチをしてみた。つま先を伸ばし、腕をぐっと天井に伸ばす。それだけで、全身に血が巡っていくのが分かる。50代になると、こんな小さなことで体が反応する。逆に言えば、丁寧に向き合えば、それだけで体は応えてくれるのかもしれない。
朝食は昨日より少しだけバージョンアップ。十六穀米のおかゆに温泉卵を落とし、豆腐と小松菜の味噌汁、そして納豆を加えた。これまではパンとコーヒーが定番だったけれど、やはり和食のほうが、体にすっと入る感じがする。よく噛んで食べることで、満足感も得られるし、食後に胃が重たくならないのがうれしい。
午前中は自宅で軽作業。メールの返信と、資料の確認程度。とはいえ、画面を凝視する時間が長くなると、目の奥に違和感が出るので、1時間作業したら10分は目を休めるようにしている。集中力を取り戻すには、体調管理と同じくらい「自己管理」が大事なのだと痛感する。
昼食は、昨日の残りのスープをベースに、サバ缶と豆苗を加えてみた。味付けは塩と生姜だけ。シンプルだけど、サバの旨味が出ていて美味しかった。主食は玄米おにぎり。噛みごたえがある分、少量でも満足感があるし、消化にも優しい。食後は少し横になってから、軽く掃除をした。これもリハビリの一環。以前なら5分で終わっていた作業も、今は10分かけてゆっくりやる。
午後は、外の空気を吸いたくなって近所の図書館まで歩いてみた。往復で30分。途中、川沿いの桜の枝が少し膨らんでいるのを見つけて、ほっとした気持ちになった。季節は確実に進んでいる。自分も置いていかれないように、少しずつでも進まなければと背中を押された気分だった。
図書館では健康と栄養に関する本を数冊借りた。特に「50代からの体づくり」といったテーマの本は、自分の今にぴったりだった。これまで「食べないで痩せる」ことばかり意識していたが、本当のダイエットとは「代謝を落とさずに、体調を整えること」だと改めて理解した。
夜ごはんは、鶏むね肉の塩麹焼き、ひじきと大豆の煮物、ブロッコリーとツナの和え物。そして、もち麦ごはんを軽く一膳。いわゆる「バランスの取れた食事」だ。特別なレシピではないが、食材の選び方と調理法を工夫するだけで、ずいぶん満足感が違う。
そして、お風呂上がりに軽く体重をチェック。65.1kg。ほぼ変わっていないが、それでいい。焦る必要はない。自分が今取り戻そうとしているのは「体重」だけではない。「体力」「心のゆとり」「生活の軸」そのものなのだ。
昔は「今日何キロ減った」「何キロ太った」と、数字ばかりに一喜一憂していた。でも今は、それよりも「今日はきちんと歩けた」「今日は料理できた」ということの方が、何倍も価値があると思えるようになってきた。
健康とは、数字ではなく、「日々をどう過ごすか」の積み重ね。病気をして、ようやくその意味が自分の中で腑に落ちた気がする。
明日もまた、自分のペースで、少しずつ進んでいきたい。