いつもと変わらない日々


いつもと変わらない日々 3

いつもと変わらない日々があるのは、なんとすごいことなのだろう。
その日々は、実は当たり前ではないと気づく時がある。

中学時代
中学1年生の5月ゴールデンウィークに郊外から都内に引っ越しをした。井の頭公園が近くにある学区で、そこはとても文教区で郊外の学校で学んでいたことよりも随分進度が進んでいた。いつもとかわらない日々が、全く変わった日々になってしまった。勉強、特に英語がチンプンカンプンだった。最初の授業で書き取りテストがあったのだが、全く先生が言っていることがわからず、絶望的な気持ちになった。授業が終わってから不安を抑えることができず、涙を流したのを思い出す。K先生という英語の先生はとても親身になって職員室に連れて行って、様子を聞いてくれた。その時まで、見えていた世界が薄暗い世界に見えるようになったような気がした。

それから特訓が始まったが、なかなか英語に対してのアレルギーが消えなかったことを思い出す。
参考書を購入し、勉強していったが、小学生の頃はとにかく遊ぶことに集中していたので、勉強の習慣がついておらず、一夜漬けで臨んだ中間テストの成績は散々だった。それをみて親もこれはまずいと思ったらしく学習塾に入れてくれた。それで、少しずつ、励まされて勉強をするようになっていったが、それ以来勉強には、苦手意識をもつようになった。

それでも、暇をみつけては、相変わらず外で遊ぶようにしていた。
生活環境が一変したが、ともかく外で遊ぶことだけは変えないように無意識のうちにしてバランスをとっていたのかもしれないと今振り返ると思える。

両親はそんな中でも全く変わらず接してくれたし、兄弟たちも同じだった。テストの成績がどんなに悪くっても特に責められるようなことはなかったように思う。薄暗い世界が少しずつ、また明るい世界に戻ってきたように思う。

それからは、また、いつもとかわらない日々が過ぎていった。





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