いつもと変わらない日々


いつもと変わらない日々 4

いつもと変わらない日々があるのは、なんとすごいことなのだろう。
その日々は、実は当たり前ではないと気づく時がある。

高校時代

自転車で20分位かけて毎朝高校に通っていた。
自由な校風の高校で私服で通うことが許されていて、皆自由気ままな服装をしていた。
中学時代から決めていたことがあった、それは、水泳部のある高校に入ることと、水泳部に入部することだった。小学生の時にスイミングに通っていて、勉強はそこそこだったが、体を動かすことは大好きだった。中学には水泳部はなかったので、高校ではその夢を果たしたかった。
高校に無事入学し、水泳部に入部したが事情で日曜日の試合には出場しないことを伝えて入部した。夢は果たし、しばらくはウキウキの日々が続いた。4月から6月ぐらいは陸トレといって陸上でできるトレーニングを中心に活動があった。6月梅雨のころから実際にプールに入る。最初はとても寒い中で足や手が痙りながらも、しばらくすると練習になんとかついていくことができるようになった。最初の夏は良かった。すべてがはじめての経験だったので、何事も挑戦ということでチャレンジしていった。
しかし、2年目位からモチベーションを維持することが難しくなってきた。後輩も入り、皆が夏の試合にむけて練習を続けていく中、自分は日曜日に行われる試合には出場しないということで、練習だけには参加した。なんとか、祝日に行われる大会には参加してある程度自分の実力がわかるようになった。後輩からもなぜ、先輩は、試合に出場しないのかと聞かれるし、事情を答えるのもめんどくさくなってきた。
部活をする上で練習のモチベーションを保つことがとても難しかった。
なぜならば、皆夏にある試合に向けて練習しているからだ。自分はその試合に出場できないことを知りながらも、皆と同じ練習メニューをこなすことに途中で苦しさを覚えるようになった。

ある時、それがあまりにも苦しくなって、部活を辞めようかとおもうようになった時があった。まわりの大人にも相談し、まずは、しばらく練習に行くことを止めてみた。
すると、やはり、練習があるのが日常になっていたものが無くなって、学校に行く動機さえも疑わしくなってきた。

その時、なんでもない、日常生活の中にあったキツイ練習も無くなってみると実際は、自分の生活の中にしっかりとした位置をしめているものなのだとわかるようになった。

それで、しばらくして、何事もなかったように練習にもどった。
仲間たちは、僕の心の中で起こっていたことは知らないが、僕の中では、日常に感謝しつつ、いつもとかわらない練習により熱心に取り組むことができるようになった。

それから、また、いつもとかわらない日々が過ぎていった。





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